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預金のお金が増えたら? その1

――利子・配当と税金

「外貨預金って、利回りがいいじゃないか」
「うん、だけど円高になれば、為替で損がでるからなぁ」

会社の昼休み、山口さんちのパパと同僚の細川さんが、新聞広告を前に話しています。

「税金はどうなるんだ?やはり20%の天引きかな?」
「うん、普通の預金と同じだな。ただ、為替でもうかった分は雑所得で、確定申告しなきゃならないそうだ」
「ほう、面倒なんだなぁ……」

ある世論調査によれば、貯蓄保有世帯の平均貯蓄残高(有価証券や保険を含む)は、平成18年3月現在で1,700万円。平均的な目標は、定期収入の1割と臨時収入の2割を貯蓄して、3,000万円を貯めることだそうですが、まだまだ遠くおよばないのが実情のようです。
貯蓄目的としては、「病気・災害の備え」や「子どもの教育資金」の割合が減少傾向にあり、「老後の生活費」や「旅行・レジャー資金」をあげる世帯割合が増加しています。また、貯蓄種類の内訳は、銀行預金39%、郵便貯金19%、貸付信託・金銭信託1%、株式・株式投資信託9%、債券・公社債投資信託4%、生命保険・簡易保険20%、個人年金5%、その他3%。今後については、郵便貯金以外の預貯金・個人年金・投資信託・株式などで「より増やしたい」とする世帯の割合が上昇しています。

| 2007年10月17日(水曜日) |
自動車泥棒にあったら?――雑損控除 その3

高額所得者には雑損控除が適用されない?

 税率分だけ還付、ということになると……所得が1,800万円を超える高額所得者なら、国税(所得税)と地方税(住民税)を合わせた税率が50%なので、「85万円×50%=42万5,000円」が戻るのかといえば、さにあらず。

 さきほどの雑損控除の計算式を見直して下さい。損失額から所得の1割相当額を控除、ということでしたね。ということは、車を盗まれた人の所得が1,200万円以上あれば、120万円を損失額から差し引かねばならず、そうすると雑損控除額はゼロ。還付はありません。お金持ちの人には、雑損控除の適用はご遠慮いただくことになっています。

 あ、それからもうひとつ、この特例でご注意いただくのは、保険に入っていなかったかということです。たいていの人がマイカーに保険をかけるでしょうが、ここで問題となるのは「盗難保険」に入っていたかどうかです。

 もし入っていれば、盗まれても損害は保険金でカバーされますから、当然のことながら税金は戻ってきません。まあ、必要書類を整えたり、税務署で事情説明したりとか、ひと苦労あろうかと思いますが、該当する方はぜひこの恩典をご利用下さい。

 ところで山口さん、買ってから数年たった車は、ほとんど値打ちがありません。だから、この恩典を使って新車に乗り換えるだなんて、不心得なことは考えないで下さいよ。

| 2007年7月3日(火曜日) |
自動車泥棒にあったら?――雑損控除 その2

損失額の計算方法は?

「ふーん、雑損控除で税金が戻るのね」

「あの車、150万円ぐらいかなあ。いくら戻るんだろう?」

「ねえ、うちの車、もう古いんだから……いっそのこと、だれかにもっていってもらえば。そうすれば戻ったお金で、新しい車が買えるじゃない」

「お、そうするか」

 ちょ、ちょっとお待ち下さい、山口さん。世の中、そんなに甘くはありませんよ。ご近所の方の場合、いかほど税金が安くなるかといえば、こういう計算です。

 まず、“損失額”はいくらか――150万円ではありません。昨日買ったばかりならいざ知らず、乗っている間に値打ちは下がりますよね。“減価償却”の計算をしますが、たとえば、新品で150万円だった車でも、1年間使えば120万円ほどの値打ちになり、これが損失額です。

 さらにそこから、その人の年間所得の1割相当額を差し引いた金額が雑損控除額。たとえば、年収500万円のサラリーマンなら給与所得の金額が約350万円で、その1割の35万円を120万円からマイナス。つまり、雑損として控除できるのは「損失額120万円−所得金額350万円×10%=85万円」です。

 さらにその続きの話として、戻るお金は85万円ではありませんからご注意を! お返しするのは雑損失の金額に対する、その人の税率分だけです。たとえば、さきほどの年収500万円のサラリーマンなら税率は10%ですから、還付する所得税は「85万円×10%=8万5,000円」なり。あと、住民税にも雑損控除の適用があります。やはり数万円の節税になりますが、こちらは還付ではなく、翌年に納める税金がそれだけ減るという話です。

 120万円の損失に対して援助額が10数万円……不十分かもしれませんが、わたしどもにとって精一杯の努力です。

| 2007年5月16日(水曜日) |
自動車泥棒にあったら?――雑損控除 その1

「へぇー、車が盗まれた……」
「警察には届けたけど、まず望みはないそうよ」
「しかし、夜中に車庫から盗んでいくとは、乱暴な話だなぁ」
「新手の窃盗団なんだって。うちも気をつけないと」

 山口さんちのご近所で、車の盗難事件がありました。ご主人の通勤用に、最近買ったばかりとのこと。
 ローンがまだ100万円以上残っていて、ご本人はガックリなさっているそうです。

 それにしても、けしからん輩ですね。わたくしども"税金"も憤りを感じます。多少なりともご落胆を和らげるため、そういうときには手を差しのべることにしています。

災害・盗難・横領にあうと税金が戻る?

 所得税の計算で「雑損控除」というのがあります。雑損とは"災害・盗難・横領"による被害のことです。こうした目にあった人はお気の毒ですから、納める税金を安くすることにしています。

 よく似た被害に"詐欺"がありますが、詐欺にあった人にはこの恩典はありません。だって詐欺にあうような人は、多少ともヤマ気があったわけでしょう。詐欺にあったから税金をまけてくれというのもおかしな理屈ですからね。

 さて、自分の持ちモノが被害にあったらこの恩典がうけられるわけですが、モノによっては受けられない場合もあります。「日常生活に必要のないモノ」はダメ、ということになっていますからご注意下さい。

 たとえば、住んでいる家が火事で焼けたときは、もちろん恩典の対象になります。ところが、別荘ということになると、日常生活には必要ないわけですから、お気の毒ながら税金は戻らない、という具合です。

 山口さんのご近所の方の場合、この恩典が受けられるかどうかは、まず、その車がその方の生活にとって必要だったかどうかです。通勤用だからいけるんじゃないか、ということですが……つぎのようなことをいう、小うるさい人も税務署にはいます。

 田舎ならまだしも都会に住んでいれば、通勤の足は電車やバスがあるじゃないか、その車は通勤にはほとんど使わず、レジャー用だったんじゃないのか……だったら恩典はダメ。

 だけど、仮にそうだとしても、衣食住だけの生活なんてむなしい。息ぬきなしの生活なんてありえないのだから、たまにレジャーで使おうが、やっぱり車は生活に必要。いまや下駄代わりの存在になっている車を別荘と同列に論ずるのはおかしい、という理屈の方がまともだとわたしは思いますね。ま、税務署へ行って交渉してみて下さい。

| 2007年4月2日(月曜日) |
保険と税金 ―― ツヨシくんが小学校入学 その3

保険と税金 ―― ツヨシくんが小学校入学 その3

子どもを契約者にしたほうがいいケースとは?

 最後に、親が保険料を負担する、だけど満期保険金は子どもの手に渡したいという人に向けたアドバイスです。

 とはいえ何度もいうように、契約者が親で受取人が子どもなんていう保険の入り方は最悪です。そういうことをされると、われわれ"税金"としては贈与税でガッポリ課税せざるをえません。
 
 ここは発想を変えて、保険料自体を子どもに贈与することを考えてみてはいがでしょう。ご存じのとおり、贈与税には年間110万円の非課税枠があります。そこで、この金額以内の現金を子どもに贈与し、子どもが契約者となって保険料を払いこむという戦法です。
 
 通常の保険なら、年間の保険料は110万円以内に納まるはず。さすれば子どもに贈与税はかかりません。でもこの場合、親が直接、保険料を払ったらダメですよ。子どもに現金を渡している痕跡を残しておいて下さい。子ども名義の通帳に親が振り込む、といった配慮が必要ですね。
 
 それから、当然のことながら所得税の確定申告で、親が「生命保険料控除」の適用を受ける……なんてことのありませんように。

| 2007年1月24日(水曜日) |