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浮いた年金!消えた年金!!〜あなたの加入記録は大丈夫?〜・その3

●浮いた記録・消えた記録を探し出す方法

 厚生年金の加入記録は、社会保険事務所の窓口に会社名や勤務年月を申し出て探してもらいます。氏名・生年月日で検索したコンピュータ上の記録の中から、申し出に一致する加入記録を探してもらうのです。
この場合、記録が旧姓になっていたり、氏名や生年月日が誤って入力されているかもしれないので、別の読み仮名で検索してもらうのも一つの方法です。また、勤務期間についてもある程度の幅をとるなど、検索の範囲を広めにして探してもらうのがコツです。なお、国民年金の保険料納付記録を探すポイントも、おおむね厚生年金と同じです。
社会保険事務所の窓口で、比較的容易に見つかるケースもありますが、コンピュータ上に見当たらない場合には、社会保険事務所に保管されている台帳や、市町村に保管されている名簿にあたってもらいます。この場合は、ある程度の時間がかかります。
なお、浮いた年金・消えた年金の多くは、社会保険庁のずさんな管理システムや入力ミスが原因ですが、加入者・受給者の側に全く責任がないとは言い切れません。自分は本当に厚生年金に加入したのか、国民年金保険料を納めたことに間違いがないのか、冷静になっていま一度思い起こしてみることも必要です。
自分の記憶に自信があるにもかかわらず、その加入記録が見つからない場合、つまり消えた年金問題について対応するために、総務省に弁護士・税理士・社会保険労務士などで構成される第三者委員会が設置されます。最終的には、各都道府県ごとに設置される予定の第三者委員会に申し立てることになります。

| 2007年6月29日(金曜日) |
浮いた年金!消えた年金!!〜あなたの加入記録は大丈夫?〜・その2

●加入期間の確認方法

 浮いた加入記録・消えた加入記録は、それを探し出して基礎年金番号に統合しない限り、年金として受給できません。加入者も受給者も、この機会に自分の加入期間を確認しておきましょう。とくに、会社を転々とした人、サラリーマンと自営業を繰り返した人、また結婚によって姓が変わった人、さらには国民年金の保険料を特例で一括納付した人は、浮いた加入記録・消えた加入記録の要注意者です。

 年金の加入記録は、お近くの社会保険事務所の窓口で確認できます。また、58歳になったときに社会保険庁から郵送されてくる、「加入期間のお知らせ」によっても確認できます。さらに、社会保険庁のホームページから申し込んでID・パスワードを交付してもらえば、いつでもホームページから加入記録を確認することができます。なお、来年度からは、全ての加入者に毎年1回、加入期間などを通知する「ねんきん定期便」という制度も始まります。
加入期間を確認する際には、あらかじめ自分の年金加入歴表を作っておきましょう。厚生年金については会社名と就職・退職年月を、国民年金については保険料を納付した期間、免除を受けた期間を古いものから順に書き出して一覧表にするのです。
その加入歴表、つまり自分の記憶に基づく加入期間と、あなたの基礎年金番号で社会保険庁に記録されている加入期間とを照らし合わせて、一致すれば問題ないということです。万一、自分では厚生年金に加入した、あるいは国民年金の保険料を納めたと思っている期間の記録がなければ、それがあなたにとっての浮いた記録・消えた記録です。

| 2007年6月25日(月曜日) |
浮いた年金!消えた年金!!〜あなたの加入記録は大丈夫?〜・その1

●浮いた年金・消えた年金が生まれた理由

 公的年金の受給権や年金額は、加入期間に基づきます。その年金の加入期間は、年金番号によって記録・管理されています。たとえば、老齢年金を請求するときには、加入期間を証明するために、年金番号が記載された年金手帳を提示しなければなりません。
現在は、全ての人が1つずつの基礎年金番号を持っています。公務員・民間サラリーマン・自営業などと職業が変わったり、結婚して専業主婦になったりして、加入する年金制度が変わっても、1つの基礎年金番号を一生使い続けます。ですから、基礎年金番号さえ示せば、全ての加入期間の年金が受給できるはずです。
ただし、基礎年金番号が導入されたのは平成9年です。それ以前は、そもそも国民年金と厚生年金とでは、番号が異なっていました。また、転職をした際に、何らかの理由で転職前とは別の厚生年金番号がつけられたケースもあります。さらには、転居や結婚などによって、同じ人に複数の国民年金番号がつけられたケースもあります。基礎年金番号導入前は、一人で複数の年金番号を持っていることは珍しくなかったのです。

 基礎年金番号は、平成9年1月時点の全加入者および全受給者に付番されました。その件数は、おおよそ1億件です。ところが、その時点で社会保険庁に記録されていた年金番号は、おおよそ3億件です。ここからも、同一人が複数の年金番号、つまり加入記録を持っていたことがわかります。
基礎年金番号導入以後、本人からの申し出や社会保険庁からの照会によって、異なる年金番号で管理されていた同一人の加入記録を、基礎年金番号に統合する作業が続けられてきました。ところが、未だに統合されていない加入記録が5,000万件もあるのです。これが、いわゆる「浮いた年金(記録)」です。
この中には、手続きの際の入力ミスなどによって、氏名や生年月日が誤って記録されているものもあります。これでは、いくら本人に加入した記憶があったとしても、その記録にたどり着くことができません。また、国民年金の保険料を納めたという記録が、どこを探しても出てこないなどという、信じられない事例もあります。これが、いわゆる「消えた年金(記録)」です。

| 2007年6月21日(木曜日) |
< 平成19年4月1日以後に離婚することが条件 >〜離婚した夫婦の合意にもとづく年金分割・その6〜

 前回は、分割の対象にならない年金を加えたら、分割後の年金額はいくらになるのかというお話でした。今回は、年金分割の条件である離婚の時期と、分割対象期間についてのお話です。

「年金分割は、夫婦が離婚したときに、妻が夫から分割を受けられるのよね?」

「婚姻中の報酬総額が多いほうから少ないほうへ分割が行われるから、必ずしも夫から妻へ分割されるとは限らないけど、離婚した夫婦間で分割が行われることは、そのとおりです。」

「理屈っぽいわねえ。たとえ共働きでも、給料は夫のほうが高いに決まってるじゃない。どうして、報酬総額が多いほうから少ないほうへの分割になるの?」

「分割を受けるほうの取り分である按分割合の上限が、0.5と決まっているからだよ。たとえば、夫の報酬総額が8,000万円、妻の報酬総額が2,000万円だとすると、夫婦合計額は1億円。夫の報酬総額は、もともと按分割合の上限を超える0.8なんだから、この場合、夫が妻から分割を受けることはできないでしょ。」

「なるほど。たとえ妻が不倫して離婚したとしても、妻は年金を取られないってことね。男はかわいそう、フフフ。」

「(何、考えてんだか)ちなみに、年金分割が始まる平成19年4月1日以後に離婚することが条件だからね。19年4月1日前に離婚をすると、年金分割はできないよ。」

「待ってあげようじゃないの、19年4月まで。」

「離婚が平成19年4月1日以後じゃないとダメだとすると、分割される厚生年金の加入期間も19年4月以後の加入期間?」

「それは、19年4月前の期間を含みます。年金分割は、婚姻中の厚生年金加入期間の報酬を分け合うんだけど、婚姻期間つまり分割対象期間は、19年4月前を含む結婚から離婚までの全期間です。」

「婚姻期間が何十年もあるとしたら、それが全部分割されるわけね。待ってあげましょう、19年4月を。妻は専業主婦でなくてもいいわよね?」

「はい。妻が専業主婦であった期間も、共働きであった期間も分割対象になります。婚姻中の夫の報酬総額が妻より多ければ、夫から妻へ分割されます。」

「夫のほうが多いに決まってるの。待ってあげるわよ、19年4月まで。」

「それと、平成19年4月から始まる年金分割は、原則として、分割することと按分割合について夫婦で合意することが条件だよ。」

「合意? 夫がNOといったら分割できないってこと?」

| 2007年5月28日(月曜日) |
< 分割されるのは婚姻中の2階部分の年金だけ >〜離婚した夫婦の合意にもとづく年金分割・その5〜

前回は、分割後の妻と夫の年金額は、按分割合によって決まるというお話でした。今回は、分割の対象にならない年金を加えたら、分割後の年金額はいくらになるのか?というお話です。

< モデル夫婦の年金加入歴 >

「年金分割は、婚姻中の厚生年金加入期間の報酬を分割するんだから、結局、分割されるのは婚姻中の報酬総額にもとづく厚生年金だけよね?。」

「そのとおり。たとえば、按分割合を0.5として年金分割をすると、厚生年金を夫婦で半分ずつに分け合います。ただし、それはあくまでも婚姻中の加入期間にもとづく厚生年金だけのことです。結婚前や離婚後に厚生年金の加入期間があれば、夫と妻が実際に受け取る厚生年金が半分ずつになるとは限らないよね。それに、年金額の1階部分にあたる基礎年金は、年金分割をしても夫自身・妻自身の加入期間にもとづきます。」

「だからあ、上限の按分割合の0.5で分割するとして、モデルの妻の年金額は結局いくらになるの?」

< 分割前のモデル夫婦の老齢年金の年金額 >

< 按分割合0.5で分割したモデル夫婦の老齢年金の年金額 >

「モデルの夫婦は、分割対象とならない結婚前に、同じように5年間の厚生年金加入期間があるけど、夫の報酬のほうが妻より高いから、それを加えた厚生年金の年金額は、按分割合を0.5として分割したとしても、上の図のとおり夫のほうが妻より少し多くなるね。」

「それに、もともと基礎年金は妻のほうが少ないから、結局、分割したときの妻の年金額は…131万円! 上限の按分割合で分割しても月額10万円ちょっとじゃあ、年金だけでは暮らしていけないわねえ。」

「たしかにね。もちろん、分割をしない場合の妻の年金額77万円より増えることは確かだけど、年金分割にあまり過大な期待を持つのは禁物だね。」

| 2007年3月29日(木曜日) |