FP塾マガジン バックナンバー

≪第65回≫:
高額療養費制度の見直し案について

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本年も、皆さまの営業トークやご提案の引出しとなる情報をお届けできるよう、努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

昨年末、厚生労働省より「高額療養費制度」の新たな見直し案が公表されました。

詳細については、いずれFP塾の中でも触れる予定ですが、本見直し案に基づき、今年8月から給付制度が変更される見込みです。

昨夏に話題となった急激な引上げ案と比べると、今回は比較的マイルドな内容となっていますが、「応能負担」の方向性自体に変わりはありません。具体的には、年収770万円以上の方を対象に、今後2年間で自己負担が段階的に増加する仕組みとなっています。

今回の見直しで特に注意すべき点は、「年間上限額」の導入です。

一方で、「多数回該当」とは判定期間が異なるため、混同しないよう注意が必要です。


多数回該当:直近12ヵ月間に3回以上該当すると、4回目から自己負担上限が引下げ


年間上限額:1月~12月の暦年で判定


この違いにより、今回の引上げでは、高額療養費の上限にわずかに届かない層が、結果として大きな負担増となるケースが想定されます。

例えば、治療期間が10月から翌年4月にかかる場合、12月で一度区切られるため、年間上限額に到達せず、自己負担が想定以上に増えるといった事態も起こり得ます。

平たく言えば、特に年収770万円以上の方は、治療一時金を十分に準備しておく必要があるということです。

この年収帯に該当する経営者層では、たとえ人工肛門などの処置により、障害者手帳4級に該当したとしても、年収制限により医療費扶助の対象外となるケースが一般的です。

また、年収1,650万円以上の層では、現行制度と比べても相当な負担増が見込まれます。

今回の見直しは、いわゆる「年収の壁」と同様、年収650万円を超えたあたりから社会保険上の負担が急増する構造を改めて浮彫りにしています。

昨年案と比べると引上げ幅はおおよそ半分程度となり、制度改正としてはマイルドになったとは言えますが、収入の高い方ほど、がん保険など医療保障への備えの重要性は高まると考えられます。

ぜひ、今後のご提案や情報提供の際の参考にしていただければ幸いです。

※本メルマガ内容は、2026年1月16日配信時点の情報です。